『歯が溶ける』と聞くと虫歯?と思う人が多いと思いますが虫歯ではないのに歯が溶けてしまう事があります。体の中で1番硬い組織が歯です。ですが歯は酸に弱い為、長時間酸にさらされると溶けてしまいます。虫歯は虫歯菌が作り出した酸によって歯が溶けますが酸蝕症は虫歯菌が関与していません。今回は酸蝕症についてお話ししていきます。
《酸蝕症の特徴》
①歯の先端が薄くなる ②冷たいものがしみやすい ③表面に段差ができる ④歯が白濁したり黄色っぽくなる等
《原因》
①食品に含まれる酸(酸っぱいものや柑橘系のもの)②胃酸の逆流(胃液が口の中に上がってきて歯を溶かします)等
《予防法》
①酸っぱいものを口にした後に口をゆすぐ、水を飲む ②酸性の飲食物をだらだら食べたり飲んだりしない ③寝る前に酸性の物を控えるといった対策が必要です。
寝ている間は唾液の量が少なくなり口腔内のpHが中性に戻りにくくなります。(唾液には口腔内を中性に回復させる緩衝作用があります。)特にいびきをかく人だと口が乾いて酸性の溶液が残りやすくなります。
また、酸性のものを多量に摂った直後に歯磨きをしない事も大切です。酸性の飲食物をとった直後はエナメル質(歯の表面)が柔らかくなっているので30分ほど時間をおくか、お水でゆすいでから歯磨きするようにしてください。
虫歯は『部分的』に歯が溶けていきますが、酸蝕症は『全体的』に溶けていきます。また進行もゆっくりな為自分では気付きにくいのも難点です。心当たりのある人は食生活を一度見直して定期的に歯科医院を受診し歯の健康状態をチェックしましょう🪥